お酒を飲むことが好きという方の中には、ついつい飲みすぎてしまうなんて方も多いのではないでしょうか?
お酒の飲み過ぎは、健康を害するおそれがあるということは周知の事実です。
お酒が原因で、頭皮や髪の毛にも悪影響を及ぼすのではないかと心配する方は少なくありません。
アルコールは、将来ハゲるリスクを高めるのでしょうか?お酒好きの方にとっては、気になるところです。そこで今回は、お酒と薄毛の関係性について詳しく解説します。
お酒は適量ならOK?ハゲるリスクとは

結論から述べると、適量の飲酒であれば、ハゲるリスクは少ないと考えられています。
「酒は百薬の長」という言葉があるように、お酒には健康を増進させる効果があると言われています。
では、なぜお酒によるハゲるリスクが心配されるのでしょうか?ここでは、お酒による薄毛のリスクについて一緒に確認しましょう。
過剰なお酒の摂取は薄毛の可能性も
お酒好きの方の中には、ほどほどの量でお酒をストップするのは難しいという方は多いのではないでしょうか?
過剰なアルコールを継続的に摂取した場合、薄毛を引き起こすおそれがあります。過剰な飲酒は、体のあらゆる内臓器官に悪影響を及ぼすのはもちろん、精神にも支障をきたす可能性があると言われています。大量のお酒を飲み続けることで、アルコール依存症に陥ることも考えられます。
依存症に陥ることがなくても、過剰なアルコール摂取が続くと、内臓器官が弱まり、薄毛につながる可能性は否めません。
1日の適切な飲酒量の目安
お酒に強い人、弱い人がいるように、飲酒による影響には個人差があります。体質はもちろん、年齢や性別などの違いによって、それぞれ受ける影響度合は異なります。
飲酒する際は、自分自身にとって適切なアルコール摂取量を知っておくことが大切です。
厚生労働省が発表する「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」は、1日の平均純アルコール摂取量で男性は40g以上、女性は20g以上です。
純アルコール量とは、お酒に含まれるアルコールの量をグラム(g)で表したもので、お酒の種類やアルコール度数によって、同じ量のお酒でも含まれる純アルコール量が異なります。
【純アルコール量の計算方法】
中びん(500ml)のビールなら、女性の場合は1本程度、男性なら2本程度が、適切な飲酒量と言えるでしょう。
あまり神経質になる必要はありませんが、自分に合った飲酒量を把握することが大切です。健康に配慮した飲酒を心がけ、薄毛につながらないよう気をつけましょう。
過剰な飲酒が薄毛につながる理由

先述の通り、過剰なアルコール摂取は、人間のあらゆる内臓器官に悪影響を及ぼし、薄毛につながる可能性があります。ここでは、過剰な飲酒が薄毛につながる理由を一緒に確認しましょう。
体内のアミノ酸が不足する
お酒を飲むと、肝臓でアルコールを分解するためにアミノ酸が大量に消費されます。本来、髪の毛の生成に使われるはずのアミノ酸が、アルコール分解のために消費されてしまい、体内のアミノ酸不足を引き起こしかねません。
アミノ酸が不足すると、髪の毛の材料となるタンパク質が十分に合成されず、髪の毛の成長が阻害されます。また、今生えている髪の毛もダメージを受けやすくなり、抜け毛が増える場合もあります。
睡眠の質が低下する
お酒を飲んだ日は、何度も夜中に目が覚めてしまうなんてことはありませんか?アルコールは、深い睡眠であるノンレム睡眠を妨げ、浅い睡眠であるレム睡眠を増加させる傾向があります。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪の毛の成長を促す重要な役割を果たしています。睡眠不足の状態は、成長ホルモンの分泌量を減少させ、髪の毛の成長を妨げる要因になりかねません。
また、体内の細胞は睡眠中に修復されます。睡眠不足では修復が十分に行うことができず、髪の毛もダメージを受けやすくなります。
栄養の吸収が悪くなる
アルコールは胃粘膜を刺激し、消化機能を低下させます。その結果、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、髪の毛の成長に必要な栄養素の吸収が阻害されがちです。
さらにアルコールは、腸内にある善玉菌を減らし腸内環境のバランスを悪化させる可能性があります。腸内環境が悪化すると、栄養素の吸収が阻害されるだけでなく、免疫力が低下し、頭皮のトラブルを引き起こす可能性も高まります。
タンパク質の合成を妨げる
髪の毛の80%以上はタンパク質でできています。体内で合成されたタンパク質は、肝臓の働きにより血液中に送り出されます。
大量のお酒を摂取することで、肝臓はアルコールの分解に多くのエネルギーを使わなくてはなりません。その結果、タンパク質合成の機能が低下し、髪の毛に必要なタンパク質が不足してしまいます。
髪の毛の主成分であるタンパク質が不足することで、細く弱い髪の毛へと変化しやすくなり、薄毛を引き起こす要因になりかねません。
ビール好き必見!ビールと薄毛の関係性

乾杯は必ずビール、家飲みはビール一択など、ビールが大好き!という方は多いのではないでしょうか?ここでは、ビールと薄毛の関係性について一緒に確認しましょう。
ビールに多く含まれる糖質に注意
お酒の中でも特にビールは、糖質が多いことで知られています。ビールに含まれる糖質は、主に麦芽から由来する麦芽糖です。
ビールの種類によって糖質量は異なりますが、一般的に350ml缶で10~16g程度含まれており、甘いお菓子に含まれる糖質量と比較しても決して少なくありません。糖質の過剰摂取は、皮脂の過剰分泌や血行不良を招き、薄毛を引き起こす可能性があります。
さらに、高血糖状態は、体内の炎症反応を悪化させます。頭皮の炎症は、毛根を傷つけ、抜け毛を促進する原因になりかねません。
ビールの原料「ホップ」は薄毛を抑制する?
実は、ビールの原料であるホップには、薄毛の原因となるAGA(男性型脱毛症)を抑制する可能性がある成分が含まれていると言われています。
ホップには、「5αリダクターゼ」という酵素の働きを抑制する効果があります。5αリダクターゼは、男性ホルモンのテストステロンを、毛髪に悪影響を与えるDHT(ジヒドロテストステロン)に変える働きがあります。
DHTは、毛髪の成長を阻害し、脱毛を促進する原因物質です。ホップが5αリダクターゼの働きを抑制することで、DHTの生成を抑え、AGAの進行を遅らせる効果が期待できます。まだ、研究段階ではありますが、一部の研究ではホップに毛髪成長を促進する効果があるという報告もあります。
参考:三省製薬株式会社
お酒のおつまみにも注意!薄毛への影響
お酒を楽しむ際に、欠かせないのがおつまみ。薄毛が気になる場合は、お酒だけでなく、おつまみにも注意が必要です。
ここでは、お酒のおつまみと薄毛の関係性を一緒に確認しましょう。
おつまみが薄毛につながる理由
おつまみの定番とも言える、から揚げやフライドポテトなどの揚げ物は、脂質や糖質、塩分が多く含まれます。
脂質や糖質の取り過ぎは、皮脂の分泌を促進し、毛穴を詰まらせる要因です。毛穴が詰まると、毛根への栄養供給が妨げられ薄毛を引き起こす可能性があります。さらに、血行不良を引き起こし、薄毛を悪化させる要因となりかねません。
手軽なおつまみとして人気のあるスナック菓子や加工食品にも注意が必要です。脂質や糖質が多く含まれるのはもちろん、塩分や添加物が多く含まれます。
塩分の取り過ぎによるむくみは、頭皮の血行を悪化させ、抜け毛の原因となりかねません。添加物は、アレルギー反応を引き起こしたり、ホルモンバランスを乱したりするおそれがあり、薄毛に悪影響を与えることが考えられます。
薄毛を防ぐおつまみ選びのポイント
お酒を楽しむ際のおつまみは、できるだけ薄毛につながらないものを選びましょう。
薄毛が気になる方のおつまみ選びのポイントは、以下の通りです。
ヘルシーなタンパク質
鶏むね肉、魚、豆腐など、高タンパク質で低脂肪な食材を選びましょう。タンパク質は、髪の毛の主成分であるケラチンの材料となるため、髪を強く健康に保つために欠かせません。
ビタミン・ミネラル
緑黄色野菜、海藻類など、ビタミンやミネラルが豊富な食材を積極的に摂るのもおすすめです。これらの栄養素は、頭皮の健康を維持し、髪の毛の成長を促します。
食物繊維
食物繊維は、腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。便秘は、体内の毒素を溜め込み、頭皮環境を悪化させる原因となるため、食物繊維を意識して摂ることも大切です。
発酵食品
ヨーグルトやキムチなど、発酵食品には、腸内環境を整える乳酸菌が豊富です。腸内環境が整うと、免疫力が向上し、頭皮のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
薄毛を引き起こす原因は、様々なことが考えられます。お酒をたくさん飲んだからといって、必ずしもハゲるリスクが高まるわけではありません。
ただし、過剰なアルコール摂取は、頭皮環境を悪化させ、薄毛をひき起こす要因になることも考えられます。1日の適切な飲酒量の目安を参考に、自分に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心がけましょう。
薄毛を改善するためには、薄毛や抜け毛の根本的な原因を知ることが大切です。ぜひ一度、薄毛対策のプロであるサロンやクリニックに相談してみてはいかがでしょうか?ご自身の頭皮状態に適した治療法やアドバイスをもらうことができますよ。