猫のように髪が細く柔らかい猫っ毛の方の中には、ハゲているように見えてしまうのでは…と気にしている方は少なくありません。また、「猫っ毛はハゲるリスクがある」という噂を耳にしたことがある方もいるでしょう。特に身内にハゲている方がいる場合、将来の髪の毛に不安を感じている方も多いようです。
しかし、猫っ毛だとハゲるリスクがあるというのは本当なのでしょうか?
そこで今回は、猫っ毛とハゲるリスクの関係性や猫っ毛になる要因について解説します。また、猫っ毛の改善方法についても詳しくご紹介します。猫っ毛でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
猫っ毛だとハゲるリスクがある噂は本当?
猫っ毛の特性としてあげられるのが、ふわふわして細く柔らかい髪質です。
細く柔らかい髪の毛は、弱々しい見た目からハゲるリスクを心配する方も少なくありません。
以下では、猫っ毛とハゲの関係性について解説します。
猫っ毛とハゲの関係性
猫っ毛だからといって、ハゲる原因にはなりません。しかし、猫っ毛の特性ともいえる細く柔らかい髪質は、外部からのダメージを受けやすいのも事実です。ヘアケアが適切に行われない場合は、髪の毛の健康が低下する可能性が高まります。
髪の毛は、遺伝的要因だけでなく生活習慣や頭皮環境によっても大きな影響を受けます。猫っ毛の方は髪の毛はもちろん頭皮もしっかりケアすることが大切です。
猫っ毛がハゲるリスクがあるとされる理由
髪の毛のボリュームが少ない猫っ毛の方は、ハゲているように見えやすいという側面があります。そのため、猫っ毛がハゲるリスクがあるという認識につながっている可能性が考えられます。
実際には、髪の太さや硬さなどの質感はハゲとは直接関係ありません。髪の毛がハゲる主な原因は、遺伝的要因やホルモンバランス、頭皮の健康状態など多岐にわたります。
太い髪の毛が猫っ毛になってきたら要注意
猫っ毛だからハゲる原因にはならないとは言っても、最近、髪が細くなってきた、ハリやコシがなくなったなど髪質に変化がある場合は要注意です。
以前は猫っ毛ではなかったのに、髪質が変化しハリやコシがなくなりスタイリングしにくくなってきたという場合は、ハゲる予兆かもしれません。
一般的に、年を重ねることで髪の毛も細くなっていきます。しかし、先述した通りホルモンバランスの乱れやストレス、洗髪方法、生活習慣の乱れなどといった要因によっても大きな影響を受けます。
猫っ毛になる仕組みとは?
髪の毛の元になる毛母細胞が分裂して増殖を繰り返すことで髪の毛は作られます。細胞が角化して積み重なることで押し上げられ、頭皮の外へと髪の毛は伸びていきます。
毛母細胞が分裂し増殖するためには、毛細血管が運んでくる栄養分を、髪の成長の根源となる「毛乳頭」へ取り込むことが必要です。しかし、加齢やストレスなどさまざまな原因によって毛母細胞の働きは低下します。
すると髪の成長も緩やかになり、猫っ毛のような細く弱々しい髪へと変化することにつながります。
髪質の変化をそのまま放置してしまうことで、抜け毛や薄毛につながる可能性が高まります。生活習慣やストレスには十分注意しましょう。
猫っ毛になる要因とは?
猫っ毛とひと言でいっても、先天的なものから後天的なものまでさまざまな要因が考えられます。
以下では、猫っ毛になる要因について詳しく解説します。
猫っ毛になる要因その①:遺伝的要因
髪質や髪の毛の生え方は、遺伝的要因に大きく影響を受けると言われています。猫っ毛も例外ではなく、猫っ毛の方が身内にいる場合、先天性の猫っ毛である可能性が高いでしょう。また、後天的に猫っ毛になりやすい体質の場合もあります。
遺伝的要因による猫っ毛の場合は、ハゲるリスクがあるとはいえません。しかし、生まれ持った細く柔らかい髪質を根本的に変えることは難しいと言えるでしょう。
猫っ毛になる要因その②:加齢による髪質の変化
年を重ねることで体型や肌などに変化が現れるように、髪の毛にも変化は訪れます。加齢により髪の毛の生成サイクルは遅くなるため、どうしても髪の毛は細く柔らかくなりがちです。
健康な髪の生成に必要な栄養素を作る働きは20代でピークを迎えると言われています。個人差はありますが、男性の場合は20歳くらい、女性の場合は35歳くらいを目安に変化を感じやすいでしょう。加齢とともに、髪が細くなりはじめ、猫っ毛のような細く柔らかい髪質に変化していきます。
加齢による髪質の変化は、栄養素不足や血流悪化が主な原因です。また、栄養素は血管を通って毛根へと運ばれます。加齢により血流が悪くなると、髪の毛まで十分な栄養素を届けられず、猫っ毛のような細く柔らかい髪になってしまいます。
血流悪化は、頭皮のたるみを引き起こし、毛穴にも影響を与えることが考えられます。頭皮のたるみにより毛穴の形状が変化することで、猫っ毛やくせ毛などをひき起こす要因になりかねません。
猫っ毛になる要因その③:食生活や生活習慣の乱れ
健康な髪を維持するためには、十分な栄養素が必要です。
過度なダイエットによる偏った食事や運動不足などといった不規則な生活習慣は猫っ毛の要因になります。
また、睡眠不足は成長ホルモンの働きを妨げてしまいます。髪の毛の生成には、成長ホルモンが関係しているため十分な睡眠を心がけましょう。
猫っ毛になる要因その④:ストレスによるホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、髪質に大きな影響を与えると言われています。髪の成長には女性ホルモンの「エストロゲン」という成分が関係しており、ヘアサイクルを正常化させ、髪の毛にツヤやハリを与えます。
健康な髪に欠かせない女性ホルモンの働きを弱めるのがストレスです。強いストレスを受けることで、髪質が変化し猫っ毛の原因になることもありえます。
女性の場合は、ストレス以外にも出産や更年期などをきっかけに髪質の変化が起こる場合もあります。
猫っ毛になる要因その⑤:間違ったヘアケア
間違った方法でのヘアケアは、健康な髪の毛の育成を妨げる原因となります。
シャンプーの洗い残しや洗髪のしすぎ、肌に合わないシャンプーの使用などは頭皮に悪影響を与えかねません。
また、ドライヤーやヘアアイロンなどの過度な使用にも注意が必要です。髪の毛が熱によってダメージを受けることで、髪が細くなったり乾燥しやすくなります。なお、ドライヤーを使用しない自然乾燥も髪によくありません。ドライヤーは、適切な使い方をすることが重要です。
猫っ毛になる要因その⑥:疾患の影響
一部の病気や薬の副作用として髪の毛に影響を及ぼす可能性があります。
特に、甲状腺機能亢進症や膠原病、栄養・代謝障害などの疾患や、抗がん剤の使用は、猫っ毛のように髪が細くなったり髪の毛が抜けたりする要因として知られています。
病気や薬の使用による副作用が疑われる場合は、担当医師に相談しましょう。
猫っ毛を改善する4つの方法
猫っ毛は、ボリュームが少なくハゲに見えてしまうことから、できることなら猫っ毛を改善したいという方は少なくないでしょう。
猫っ毛を改善する方法はあるのでしょうか?
ここでは、猫っ毛を改善する方法を具体的にご紹介します。最近、髪が細り猫っ毛になってきたという方はもちろん、生まれつき猫っ毛の方でもボリューム感のあるスタイルに変身させることは可能です。猫っ毛でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
猫っ毛を改善する方法①:食生活を改善する
猫っ毛のような細く柔らかい髪質を改善するためには、食生活を見直し、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
健康的な髪のためには、タンパク質や亜鉛、ミネラル、ビタミンが欠かせません。必要な栄養素を取り入れながら、バランスの良い食事を心がけましょう。逆に、脂っこいもの・塩分が多い食べ物などは、髪に悪影響を与えてしまうため、摂りすぎに注意が必要です。
いろいろな食材を組み合わせて摂取しましょう。食べ物から摂取しにくい不足しがちな栄養素はサプリメントなどを活用するのもおすすめです。
猫っ毛を改善する方法②:睡眠の質を高める
ハリやコシのある健康的な髪を作るには睡眠の質も大切です。
髪の生成には成長ホルモンが関係しています。成長ホルモンが活発に分泌されるのは、入眠してから2~3時間のノンレム睡眠時です。浅い眠りや短時間睡眠だと成長ホルモンの量が減少してしまいます。睡眠の質を高める工夫が必要です。
上記の方法に取り組むことで、副交感神経の働きを高め、入眠しやすい状態になります。翌朝はカーテンを開け、朝日を浴びて体内時計を整えることで、より睡眠の質が向上します。
猫っ毛を改善する方法③:適度な運動でストレスを発散
ストレスは、ホルモンバランスの乱れを招くため、健康な髪の成長を阻害する要因です。日ごろからストレスを溜め込まないことはもちろん、ストレスを感じた際は、こまめに発散するようにしましょう。
適度に運動することで、ストレスの発散になります。また、運動することで、睡眠の質の向上や血行の改善などの効果もあり、髪の成長にも効果的です。
ただし、外で運動する際は紫外線に注意しましょう。紫外線は髪だけでなく頭皮にもダメージを与えます。帽子やスプレー式の日焼け止めなどでしっかり対策しましょう。
猫っ毛を改善する方法④:シャンプーの方法を見直す
洗髪のしすぎやシャンプーの洗い残しを避けるため、適切な洗髪方法を知ることが大切です。
一般的に、高い洗浄力のシャンプーは刺激も強い傾向にあります。頭皮の皮脂が気になるからといって高い洗浄力のシャンプーを使用すると、過剰に皮脂を奪ってしまうことになりかねません。頭皮の皮脂が不足すると、逆に皮脂が過剰分泌されてしまいます。頭皮から分泌される皮脂には、肌を保護する役割があるため、必要以上に皮脂を奪わないよう気を付けましょう。
アミノ酸系のシャンプーは刺激が少なく保湿力も高いため、髪の毛や頭皮トラブルでお悩みの方におすすめです。
また、意外にできていないのが正しい方法で洗髪することです。毎日の洗髪方法を見直しましょう。
- しっかりブラッシングして髪のもつれやほこりをとる
- 38~40度のぬるま湯で予洗いする
- 手のひらでシャンプーをしっかり泡立ててから、指の腹を使ってマッサージするように洗髪する
- ぬるま湯でしっかりとシャンプーを洗い流す
- トリートメントやコンディショナーは頭皮につけないようにする
- 髪の毛をタオルで挟むようにして水気をとる
- 髪の根元を中心にドライヤーを当てる
シャンプーは髪ではなく頭皮の洗浄が目的です。洗髪前にブラッシングすることで、髪の毛の表面に付着した汚れはある程度落とせます。また、熱いお湯を使ったり爪を立ててゴシゴシ洗う洗髪はNGです。
洗髪後は、なるべく早く髪を乾かすことが大切です。髪が濡れた状態で長時間放置すると雑菌が繁殖し頭皮のにおいの原因になります。自然乾燥は絶対にやめましょう。
髪を素早く乾かすコツは、ドライヤーの温風を髪の根元にあてるようにして乾かすことです。髪の根元にドライヤーをあてて乾かすことで、髪の根本が立ち上がり、ボリュームのあるヘアスタイルが作れます。
抜け毛が止まらない時は専門家に相談を
継続的に抜け毛が止まらない、薄毛が進行している場合は、何かしらの原因で薄毛が進行していることが考えられます。
以下のような悩みを抱える場合は、まずは専門家に相談することが大切です。
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まとめ
猫っ毛は、ハゲる原因ではありません。しかし、猫っ毛の特性ともいえる細く柔らかい髪質は、外部からのダメージを受けやすいのも事実です。
もともと猫っ毛ではなかったのに髪質が変化したという場合は、薄毛や抜け毛などハゲる予兆かもしれません。加齢による髪質の変化や生活習慣の乱れ、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、間違ったヘアケアなど考えられる要因は多岐にわたります。疾患による影響も考えられるでしょう。
髪の毛は、生活習慣や頭皮環境によって大きな影響を受けます。猫っ毛の方は特に、髪の毛はもちろん頭皮もしっかりケアすることが大切です。
今回ご紹介した猫っ毛を改善する方法をぜひ参考にして、健康な髪の毛を手に入れてください。