毎日の洗髪やブラッシングの際に、手やブラシについた抜け毛が気になるという方は多いのではないでしょうか?
髪の毛には「ヘアサイクル」という周期があり、日々新しい髪の毛へと生まれ変わっています。人によって差はあるものの抜け毛は、誰にでも起こる自然現象です。
では、自然現象で起こり得る一般的な抜け毛の量とは、何本程度なのでしょうか?一般的な1日の抜け毛本数がわからなければ、自分の抜け毛の量が正常の範囲内なのかもわかりません。
そこで今回は、一般的な1日の抜け毛本数について詳しく解説します。危険な抜け毛の見分け方や今すぐできる抜け毛対策も紹介します。抜け毛が気になるという方は、ぜひ参考にしてください。
一般的な1日の抜け毛本数は50〜100本程度
人間の髪の毛はおよそ10万本生えていると考えられています。そのうち、1日50〜100本程度が自然に抜け落ちると言われています。髪の毛全体の約0.1%が、日々新しく生まれ変わっているということです。
ただし、1日の抜け毛の本数が正常範囲の50〜100本以上の場合でも、心配がいらないケースもあります。詳しくは、以下で解説していきます。
抜け毛を引き起こす要因
たとえ1日の抜け毛の本数が正常の範囲内であっても、将来の薄毛につながらないかと不安に感じる方もいるでしょう。一体どのような要因で、抜け毛は起こるのでしょうか?
ここでは、抜け毛を引き起こす要因を一緒に確認しましょう。
ヘアサイクルによる抜け毛
一般的な日本人の髪の毛は、1日およそ0.3mmずつ成長します。
髪の毛には「ヘアサイクル」と呼ばれる3つの成長周期があり、4~6年程度で寿命を迎えると言われています。
ヘアサイクルの仕組み
ヘアサイクルについて | 期間 | 内容 |
---|---|---|
成長期 | およそ2~6年 | 毛根にある毛母細胞が分裂を繰り返しながら、髪の毛が成長するための周期 |
退行期 | およそ2~3週間 | 髪の毛の成長が停止し、髪の毛が抜け落ちるための準備を開始する周期 |
休止期 | およそ3~4か月 | 寿命を迎えた髪の毛が抜け落ち、新たな髪の毛が生えるための準備をする周期 |
休止期にあたる髪の毛が抜け落ちると、新しい髪の毛へと生え変わります。つまり、気になる抜け毛は休止期にあたる髪の毛である場合がほとんどと言えるでしょう。1日の抜け毛が正常な範囲の本数であれば、問題はありません。
季節性による抜け毛
季節によって、抜け毛の量は変化するということはご存じですか?特に、夏から秋にかけて抜け毛の量は多くなる傾向があります。また、夏や秋に関わらず、季節の変わり目は抜け毛が起こりやすいと言われています。正常の範囲を超える200本程度の抜け毛が、1日で起こることも珍しくありません。
季節性による抜け毛は、ホルモンバランスの乱れや紫外線ダメージなどさまざまな要因が考えられます。しかし、はっきりした原因は未だ解明されていません。
季節の変わり目など一時的な抜け毛で、すぐに収まるようであれば、抜け毛の本数が多くても過度な心配はいらないでしょう。
洗髪中の抜け毛
洗髪中の抜け毛が気になるという方は、多いのではないでしょうか?シャンプーの際、手にまとわりつく髪の毛や排水溝に溜まった髪の毛を目にすることで、将来の薄毛につながらないかと心配する方は少なくありません。
実は、1日に抜け落ちる髪の毛のおよそ半分の量が、洗髪している際中に抜け落ちると言われています。とはいえ、洗髪の行為自体が抜け毛を引き起こすわけではありません。
洗髪中は、休止期にあたる寿命を迎えた髪の毛が自然に抜け落ちたり、日中に抜けた髪の毛がシャワーによって洗い流されたりします。このような理由から、洗髪中は抜け毛が多いと感じやすいのでしょう。
ただし、過剰な力で頭皮をゴシゴシこするような洗髪方法は抜け毛を引き起こすおそれがあります。やさしく丁寧に洗い上げることを心がけましょう。
危険な抜け毛の見分け方とは
1日の抜け毛本数が50〜100本程度であれば、特に心配はいりません。とはいえ、1日に抜け落ちた髪の毛を集めて本数を数えるのは、なかなか難しいですよね。
将来薄毛につながりやすい抜け毛には、特徴があります。ここでは、危険な抜け毛の見分け方を一緒に確認しましょう。抜け毛が気になる方は、ぜひチェックしてください。
毛根の色や形
抜け毛を見つけたら、「毛根」を確認してみましょう。正常なヘアサイクルを終えて抜け落ちた髪の毛は、毛根が白っぽく、マッチ棒のように丸みを帯びた形状をしています。
一方、危険な抜け毛は以下のような特徴があります。
- 毛根がやせ細っている
- 毛根が黒色もしくは白く濁った色をしている
- 毛根がない(毛先と見分けがつかない)
- 毛根がギザギザしている
危険な抜け毛は、成長期にあたる髪の毛が何らかの理由で抜け落ちている可能性があります。
髪の毛の長さと太さ
自然に抜け落ちた髪の毛は、しっかり成長しているため、ある程度長さと太さがあります。一方、危険な抜け毛は、短くやせ細っているのが特徴です。髪の毛が正常に成長せず、成長の途中で抜け落ちたことが考えられます。
さらに、頭頂部や生え際、前頭部から薄毛が進行している場合は、AGA(男性型脱毛症)による脱毛かもしれません。AGAは進行性の脱毛症です。AGAが疑われる場合は、早めにサロンやクリニックに相談し、適切な治療を受けることをおすすめします。
抜け毛の本数
抜け毛を集めて、いちいち数えることはできなくても、明らかに正常の範囲を超える抜け毛があると判断する場合は、薄毛の進行が疑われます。
特に、抜け毛の量が急に増えたと感じた際や、2〜3か月以上経過しても大量の抜け毛が収まらない場合は注意が必要です。
抜け毛に効果的なヘアケア方法とは?
危険な抜け毛が見つかった場合はもちろん、正常な範囲の抜け毛である場合でも、将来薄毛にならないよう今からしっかり対策することが大切です。
ここでは、誰にでも今すぐできる抜け毛対策をご紹介します。まずは、ご自身の生活習慣を振り返り、気になる項目から取り組みましょう!
食生活の見直し
普段外食ばかりだったり、好き嫌いが多いなど偏食気味だったりする場合は、食生活の見直しからスタートしましょう。
健康な髪の毛を育てるには、十分な栄養が必要です。栄養バランスが悪い食生活を続けていると、髪の毛に十分な栄養を届けることができません。結果、やせ細った弱々しい髪質に変化し、抜け毛を引き起こす可能性があります。
髪の毛の主成分となるたんぱく質や、髪の毛の育成をサポートするビタミンやミネラルなどを積極的に摂取しましょう。バランスのよい食生活が、健康な髪の毛を育てるポイントです。
睡眠の質の向上
健康な髪の毛を育てるためには、質の良い睡眠が欠かせません。睡眠中には「成長ホルモン」が分泌され、髪の毛の成長を促進します。睡眠不足が続くと、必然的に成長ホルモンの分泌量が低下し、髪の毛の形成に欠かせないたんぱく質の合成が十分に行われません。結果、抜け毛や薄毛につながるおそれがあります。
しっかり睡眠時間を確保することはもちろん、質の良い睡眠を心がけることも重要です。成長ホルモンは、深い眠りについているときに大量に分泌され、浅い眠りではほとんど分泌されません。太く長い健康な髪の毛を育てるためには、質の良い睡眠が不可欠です。
枕やマットレスなどの寝具を工夫したり、エアコンや加湿器などを利用して快適な室温湿度を保ったりなど、深い眠りにつけるよう睡眠環境を整えましょう。
喫煙・飲酒習慣を見直す
喫煙や過度な飲酒の習慣がある方は、ぜひ見直しを検討しましょう。
特に喫煙は、抜け毛のリスクを高める要因の1つです。タバコに含まれる成分「ニコチン」には、血管を収縮させる働きがあります。喫煙することで、頭皮まで十分に栄養が届けられず、抜け毛を引き起こすおそれがあります。
いきなり禁煙するのは難しいという場合は、喫煙本数を減らすことから始めるのもおすすめです。
飲酒に関しては、適量であれば問題はありません。ただし、過剰にアルコールを摂取すると血行が悪くなり、抜け毛のリスクも高まります。飲み過ぎないよう、気をつけましょう。
こまめにストレス発散する
抜け毛とストレスは、密接な関係があると考えられています。過剰なストレスによって自律神経のバランスが崩れると、血行不良を引き起こし、抜け毛や薄毛の要因となります。
ストレス社会に生きる現代人にとって、ストレス解消は大きな課題の1つです。没頭できる趣味を見つけたり、旅行に行ったりなど、意識してストレスを解消しましょう。
忙しくなかなか時間を確保できないという方は、親しい人とおしゃべりを楽しむだけでもストレス解消になります。ストレスをため込まないためにも、日ごろからこまめにストレス発散するのがポイントです。
発毛サロンやクリニックへ相談する
正常な範囲を超える大量の抜け毛や危険な抜け毛が気になる場合は、発毛サロンやクリニックに相談するのもおすすめです。
抜け毛の原因は、さまざまなことが考えられます。発毛サロンやクリニックでは、頭皮や髪の毛の状態をチェックしたうえで、一人ひとり適切な治療法やアドバイスをもらえます。無料カウンセリングを設けているサロンやクリニックも多いため、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
髪の毛にはヘアサイクルがあり、個人差はあるものの抜け毛は誰にでも起こる自然現象です。1日で抜け落ちる髪の毛は、50〜100本程度であれば正常の範囲と言えるでしょう。ヘアサイクルや季節性による抜け毛なら、過度な心配はいりません。
しかし、正常の範囲を超える抜け毛がある場合や抜け毛の形状に異常がある場合は、薄毛が進行している可能性があります。生活習慣を見直し、ご紹介した抜け毛対策をぜひ参考にして実践してください。
ただし、抜け毛の原因がわからないまま自己判断で対策していても効果が現れず、時間を無駄にしてしまうことも考えられます。抜け毛が気になる場合は、発毛サロンやクリニックに相談するのがおすすめです。