目のかゆみやくしゃみ、鼻水など、花粉症の症状は人によってさまざまです。
あまり知られていませんが、花粉症の症状として頭皮の痒みをひき起こす可能性があることはご存じですか?
そこで今回は、花粉症によりひき起こされる頭皮の痒み・アレルギーの症状について解説します。
自宅で簡単にできる頭皮の痒みケアも紹介するので、花粉症による頭皮の痒みが気になる方は、ぜひ参考にしてください。
頭皮の痒みや違和感は花粉症が原因?
鼻水やくしゃみといった花粉によるアレルギー症状が出た時に、頭皮に違和感や痒みを感じることはありませんか?
実は、花粉は目や鼻だけでなく、頭皮や髪の毛に対しても影響を与えることがあります。
どのような影響があるか確認していきましょう。
頭皮の痒み
花粉が頭皮に付着することで、アレルギー反応を起こし、頭皮の痒みをひき起こすことがあります。
頭皮に痒みがあることで、思わず頭皮を掻きむしってしまう方もいるでしょう。頭皮が傷つくと、炎症を引き起こす原因になり頭皮環境が悪化します。特に、乾いた空気で乾燥した頭皮は、バリア機能が弱っているため、花粉の影響を受けやすい状態です。
頭皮環境が悪化することにより、炎症が皮膚の深部まで広がってしまい、炎症性の抜け毛を引き起こすことがあります。
頭皮のむくみ
花粉症を発症すると、顔や身体がむくむことがあります。アレルギー性結膜炎や花粉による肌荒れ、薬の副作用など、むくみの原因はさまざまです。
顔や身体のむくみが気になる場合、頭皮もむくんでいる可能性が高いと言えるでしょう。外見からは、髪の毛があるため頭皮がむくんでいるのかは分かりづらいですが、頭皮も血管拡張を引き起こしていることが考えられます。
頭皮のむくみは血流を悪化させ、血流が滞ると髪の毛を作り出す毛母細胞に十分な酸素や栄養が行き渡りにくくなります。頭皮のむくみは、健康な髪の毛の育成を阻害する原因になりかねません。
毛乳頭の炎症
花粉症は、人間の身体が花粉に対してアレルギー反応を引き起こす症状です。花粉を異物と判断した人間の体は、自らの力で異物を排除しようとします。異物を排除する手段が、くしゃみやせき、鼻水などの症状と言われています。
また、アレルギー反応はくしゃみやせき、鼻水だけではありません。人間の身体のあらゆる箇所に炎症を引き起こし、髪の毛の毛根にある毛乳頭で発症することもあります。
発毛や育毛において、とても重要な役割を担っているのが毛乳頭です。毛乳頭の細胞がダメージを受けると、健康な髪の毛が育つ前に抜け落ちてしまい、抜け毛や薄毛につながります。
髪の毛の乾燥を引き起こす
花粉の飛散量が増える時期になると、髪の毛がゴワついたりギシギシしたりして髪の毛がまとまりづらいと感じたことはありませんか?
花粉には、髪の毛の水分を吸収する性質があります。髪の毛に花粉が付着した状態で長時間放置してしまうと、髪の毛の保湿に必要な水分量が不足してしまい、髪の毛がパサついた状態となります。
髪の毛に付着した花粉は、髪の毛の水分を奪い、髪の毛が乾燥したりパサついたりする原因の1つです。
花粉による頭皮の痒みはなぜ起こる?
そもそも、花粉が多く飛散する時期に、なぜ頭皮の痒みは起こるのでしょうか?
人間が持つアレルギー反応
人間の体にはもともと、ウイルスや細菌などの異物から体を守る仕組みが備わっています。アレルギー反応とは、ある特定の異物に対して免疫が過剰に反応し、体に何かしらの症状が発症することです。
体内で生成されたアレルゲン物質は、血液の流れによって全身を巡ります。アレルゲン物質が、体内に長い間存在することで痒みを発症しやすく、頭皮の痒みを誘発する原因になりかねません。
花粉に含まれるアレルゲン物質の影響
卵や牛乳、小麦などの食べ物はもちろん、ダニやほこりなど、さまざまなものがアレルゲン物質として存在します。アレルゲン物質は花粉にも含まれており、頭皮の痒みや炎症の原因になるとされています。
花粉は、ちりやほこりと同様に髪の毛に付着しやすい性質です。髪の毛に付着した花粉に対して、頭皮周辺に免疫細胞が集まり痒みを引き起こします。
さらに、誘発された痒みにより頭皮を掻いてしまい炎症が起きる悪循環が生まれやすいともされています。
花粉によって頭皮が痒いときのセルフケア方法
ここでは、一般的な花粉症対策に加えて、健康な頭皮や髪の毛のために実践したい対策をご紹介します。
自宅で簡単にできるケアなので、ぜひ習慣化させて抜け毛や薄毛を予防しましょう。
外出後は花粉をしっかり払ってから室内へ
外出後は帰宅したら玄関先で、衣類だけでなく髪の毛に付着した花粉もしっかり払ってから室内に入りましょう。花粉を払う順番は、まずヘアブラシで髪の毛の花粉を払ってから、続いて衣類に付着した花粉を払うのがポイントです。
特に花粉の飛散量が増える春先は、玄関に衣類用のブラシとあわせて、ヘアブラシも用意しておくことをおすすめします。
ヘアブラシの素材について
おすすめな素材 | NGな素材 |
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静電気防止加工された素材 豚毛・猪毛など天然素材 | 帯電しやすい素材 プラスチック、ポリエステル |
なるべく早くシャワーやお風呂に入る
玄関先で花粉を払っても、残念ながら全ての花粉を除去することはできません。帰宅後は、なるべく早めにシャワーやお風呂入り、身体や髪の毛に付着した花粉を洗い流しましょう。
なお、花粉の付着が気になるからといって、洗い過ぎるのは厳禁です。過剰な洗髪は必要な皮脂まで落としてしまうことが考えられます。花粉を髪の毛や頭皮に残さないことも重要ですが、うるおいを守りながら優しく洗い上げることを意識しましょう。
室内はこまめに掃除する
花粉が多く飛散する時期は、どんなに注意を払っていても、室内に花粉を持ち込んでしまいます。
花粉が気になり出したら、以下の対策を行うのがおすすめです。
具体的な対策について
- いつもより掃除機をかける頻度を増やす
- 寝具の洗濯頻度を増やす
- 花粉が付着しにくい寝具を使う
- 加湿器をつける
以上のように、自宅での花粉対策を行うことをおすすめします。
髪の毛に花粉を付着させないよう工夫する
花粉が多く飛散する時期に外出するなら、帽子やスカーフを活用するのも有効な方法です。髪の毛を覆うことで、花粉が付着するのを防げます。
特に髪の毛が長い方は、まとめ髪にするなどコンパクトにすると露出する面積が減らせ花粉が付着しにくいです。
頭皮や髪の毛のうるおいを保つヘアケアも大切
花粉が多く飛散する時期は、ヘアケアに気を使うことも大切です。髪の毛が乾燥していたり傷んでいたりすると静電気を帯びやすく、花粉が付着しやすくなります。頭皮や髪の毛にやさしい保湿ケアのできるシャンプーを選び、洗髪後は頭皮をしっかり保湿することを心がけましょう。
また、ドライヤーの熱から髪の毛を守ってくれるアウトバストリートメントもおすすめです。髪の毛のコンディションを整える効果が期待でき、花粉が髪の毛に付着しにくくなります。
まとめ
花粉が多い時期は、一般的な花粉症対策に加えて、健康な頭皮や髪の毛のために頭皮ケアを意識することが大切です。今回ご紹介した花粉症対策をぜひ取り入れて、健康な頭皮や髪の毛を守りましょう。
なお、対策を講じても症状が収まらない場合や悪化する場合は、皮膚科やAGAクリニックを受診することをおすすめします。