手軽にボリュームアップできるヘアウイッグは、薄毛に悩む方であれば一度は使ってみたいと考えたことがあるアイテムなのではないでしょうか?
一方で、ウイッグによって抜け毛や薄毛が進行しないか不安に思う方も多いようです。たしかに、装着時の「蒸れ」などによる頭皮への影響は心配ですよね。
そこで今回は、ヘアウィッグはハゲるリスクがあるのかその真相について詳しく解説します。ヘアウィッグ装着時の頭皮への影響や対策についても紹介するので、ぜひご一読ください。
ヘアウィッグの使用と薄毛の関係性
結論から述べると、ウイッグはハゲるリスクがあります。
ヘアウィッグは頭皮を覆うため、どうしても「蒸れ」が生じてしまいがちです。
頭皮は全身の中でも皮脂分泌が特に活発な部位で、顔のTゾーンの2倍以上もの皮脂腺があると言われています。ヘアウィッグで覆うことで、頭皮は蒸れやすくなり、皮脂は過剰に分泌されます。過剰な皮脂は、雑菌の繁殖を促進し、頭皮環境を悪化させる要因になりかねません。
頭皮環境の悪化は、フケの発生やにおいの原因になり、抜け毛や薄毛を引き起こす可能性があります。薄毛や抜け毛が気になる方は、できるだけヘアウィッグの装着は控えることをおすすめします。
ヘアウィッグ装着時の頭皮への影響
ヘアウィッグとひと言でいっても、さまざまなタイプがあり、ヘアウィッグのタイプによって頭皮へかかる負担は異なります。
ここでは、ヘアウィッグのタイプ別に頭皮へどのような影響があるのか確認してみましょう。
サイズ別:頭皮への影響
ウイッグには、頭全体を覆う「フルヘアウィッグ」と頭頂部や前髪など一部分だけを覆う「部分ヘアウィッグ」の2つのサイズがあります。
それぞれのサイズ別のメリットとデメリットは以下の通りです。
サイズ | メリット | デメリット |
---|---|---|
フルヘアウィッグ | ・頭全体をカバーできる ・いろいろな髪型を楽しめる ・固定力が強い | ・値段が高い傾向がある ・蒸れやすい |
部分ヘアウィッグ | ・気になる部分だけをカバーできる ・毛量が少ないため扱いやすい | ・リーズナブル ・蒸れの心配が少ない |
毛量が少ない「部分ヘアウィッグ」は、取扱いも簡単で蒸れる心配も少ないため、ヘアウィッグ初心者におすすめです。
装着方法別:頭皮への影響
ヘアウィッグの装着方法にはさまざまな方法がありますが、どのような装着方法でも頭皮への負担は免れません。
ウイッグを装着したり取り外したりする際に毎回負担がかかることで、頭皮の状態が悪化し、抜け毛や薄毛を引き起こすことが考えられます。ここでは、代表的な「ピン式」「編み込み式」「貼り付け式」の3つを紹介します。
ヘアウィッグの種類 | 装着方法 |
---|---|
ピン式 | ヘアウィッグのストッパーを自分の髪の毛に挟んで装着する |
編み込み式 | 髪の毛の根元付近に、特殊な糸を編んだ土台を作りヘアウィッグを装着する |
貼り付け式 | 毛材が貼り付けられたシートを、両面テープや接着剤で直接頭皮に貼り付ける |
装着方法によっては、蒸れやすくなったり血行が悪くなったりすることも考えられます。特に、直接頭皮に貼り付けるタイプの「貼り付け式」のウイッグは、頭皮への負担は大きいです。薄毛が広範囲にわたる方や長時間ヘアウィッグを装着する方にはおすすめできません。
自分の髪の毛に直接取り付けるタイプの「金具式」や「編み込み式」は、抜け毛が気になる方は注意が必要です。頭皮や髪の毛への負担を考慮し、ヘアウィッグを選ぶようにしましょう。
毛材別:頭皮への影響
ヘアウィッグに使われる毛材には、「人毛」「人工毛」「ミックス毛」の3種類あります。それぞれの特徴は以下の通りです。
ヘアウィッグのタイプ | 毛材 | 特徴 |
---|---|---|
人毛 | 人間の人毛を特殊加工したもの | ・自然な艶や光沢感がある ・見た目や手触りが自然 ・強度が高い ・お手入れが大変 ・高額 |
人工毛 | ポリエステルやナイロンなど化学繊維 | ・お手入れが簡単 ・軽量 ・比較的手頃な価格 |
ミックス毛 | 人毛と人工毛を混合させたもの | ・見た目が自然 ・お手入れが簡単 |
毛材によって、頭皮への影響に違いはありません。蒸れを防ぐには、通気性の良いベース素材を使用したタイプや毛量が少ないタイプを選ぶのがポイントです。ベースがネット上になっている通気性が良いタイプを選びましょう。
製法:頭皮への影響
ヘアウィッグの製法には、「既製品」「セミオーダー」「フルオーダー」の3種類あります。それぞれの特徴は以下の通りです。
ヘアウィッグのタイプ | 製法 | 特徴 |
---|---|---|
既製品 | すでにスタイリングされている | ・安価 ・完全にフィットしづらい |
セミオーダー | ある程度決まった型から選び、希望のスタイリングができる | ・希望のヘアスタイルが叶う ・サイズ調整が可能 |
フルオーダー | 毛材の材質・毛色・毛量を選び、一から製作する | ・自分のサイズにフィットする ・快適 ・高額 |
値段は高額になりますがフルオーダーすることで、ご自身の頭のサイズにフィットした快適なヘアウィッグがつくれます。蒸れやズレる心配が軽減される場合が多いため、薄毛や抜け毛が気になる方におすすめです。
ヘアウィッグを使用する際の注意点
頭皮への影響を考えると、できればヘアウィッグの装着は控えたいところ。しかし、ウイッグは薄くなった頭皮を手軽にボリュームアップできる便利なアイテムなため、どうしても利用したいという方もいるでしょう。
ここでは、ヘアウィッグを使用するなら、ぜひ知っておきたい注意点を紹介します。
ヘアウィッグを使用しない日をつくる
一度ヘアウィッグを使用すると、外出する際はヘアウィッグが手放せない!という方もいるでしょう。しかし、頭皮の健康のためにも、ヘアウィッグを使用しない日をつくってあげることが大切です。
たとえば、休みの日は1日ヘアウィッグを装着せずに過ごすなど、できるだけ頭皮を休ませてあげましょう。頭皮を休ませることで、頭皮環境の悪化を防ぐことにつながります。
特に気温が高くなる夏場は蒸れやすいため、頭皮や髪の毛のためにはヘアウィッグの使用を控えることをおすすめします。
頭皮を清潔に保つ
ヘアウィッグを1日使用した頭皮は、蒸れにより雑菌が繁殖しやすい状態です。
帰宅後はなるべくすぐに取り外して、しっかり洗髪し頭皮を清潔に保ちましょう。
ただし、頭皮の雑菌や汚れが気になるからといって洗浄力の高いシャンプーを使用するのは注意が必要です。高い洗浄成分が配合されたシャンプーは、必要な皮脂まで落としてしまう可能性があります。
頭皮に適度な皮脂がないと外部からの刺激に敏感になり、痒みや炎症を引き起こす要因になりかねません。また、頭皮が乾燥した状態が続くと、低下したバリア機能を補うために皮脂が過剰分泌されることがあります。過剰な皮脂は、毛穴詰まりなどを起こしやすく、頭皮環境を悪化させるおそれがあります。
ヘアウィッグを使用した日は、頭皮への負担を考え、保湿成分が配合された低刺激のアミノ酸系シャンプーを使用しましょう。シャンプーは泡が残らないようにしっかり洗い流すことも大切です。
ヘアウィッグを清潔に保つ
どんなに頭皮を清潔な状態に保っても、ヘアウィッグが汚れていては意味がありません。ヘアウィッグを使用したあとは、きちんとお手入れをして清潔な状態を保ちましょう。
日々のお手入れ方法は、目の粗いブラシで軽くとかす程度で十分です。根元から毛先へ一定方向に、優しくブラッシングしましょう。風通しの良い、直射日光の当たらない場所で保管してください。
ヘアウィッグの使用頻度が高い方は、7~10日程度を目安に以下のお手入れを実施することをおすすめします。ただし、ウイッグのお手入れ方法は、毛材によって異なります。ご使用のヘアウィッグの取扱説明書の指示に従ってください。
ここでは、代表的なミックス毛タイプのヘアウィッグのお手入れ方法をご紹介します。
【用意するもの】
- ブラシ
- 洗面器に入れた水(1.5~2リットル程度)
- シャンプー・トリートメント(各大さじ1杯程度)
ヘアウィッグを水でぬらす前に、しっかりとブラッシングし、毛材のもつれや付着したホコリを落とします。
洗面器に入れた水に、シャンプーを入れて泡立て、目の粗いブラシ、もしくは指先で毛先からとかしながら洗います。
洗面器にためた水、もしくは流水でシャンプーを洗い流したあと、トリートメントを溶かした水に2~3分浸し軽くすすぎます。
乾いた清潔なタオルで、軽く押さえながら水気をとります。
ヘアウィッグをよく振ってカールを戻し、スタイルを整えたら、風通しの良い室内でしっかり乾燥させます。
栄養バランスの取れた食事を摂る
先述の通り、ウイッグ装着時は蒸れやすいため、どうしても頭皮に負担がかかります。頭皮環境の悪化を防ぐためにも、からだの内側からサポートしてあげることも重要です。
外食やコンビニ、ファストフードばかりの食生活は、脂質や糖質に偏り、健康な髪の毛に必要な栄養素が不足してしまいがちです。ヘアウィッグの使用により負担がかかった頭皮環境を、より悪化させるおそれがあります。
頭皮環境を改善するには、なるべく外食は控え、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。たんぱく質やミネラル、ビタミンなどは、健康な髪の毛をつくるために欠かせない栄養素です。普段の食事に意識して取り入れるようにしましょう。
食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
発毛サロンやクリニックに相談する
薄毛が気になるなら、ヘアウィッグに頼るのではなく、発毛サロンやクリニックに相談するのも1つの方法です。
薄毛や抜け毛の原因は、さまざまなことが考えられます。薄毛対策は、まず薄毛や抜け毛の根本的な原因を知ることが大切です。特に、進行性の脱毛症AGA(男性型脱毛症)の場合は、早めの対処が必要です。サロンやクリニックでは、頭皮や髪の毛の状態をチェックし、一人ひとりに合ったケアを提案してもらえます。
特に、ヘアウィッグを使用してから抜け毛や薄毛が増えたという方は、できるだけ早めに相談してみることをおすすめします。
まとめ
薄毛や抜け毛が気になる方にとって、ウイッグは薄くなった頭皮を手軽に隠せる便利なアイテムです。しかし、頭皮への影響を考えるとヘアウィッグの使用は控えた方がいいでしょう。どうしてもヘアウィッグを使用したい場合は、今回ご紹介した注意点をぜひ参考にしてください。
薄毛や抜け毛には原因があり、根本的な原因を知って正しく対処することで予防することができます。1人で悩むのではなく、専門的な知識が豊富なサロンやクリニックに相談してみるのもおすすめです。