髪の毛は、1日に50~100本程度抜け落ちるのが一般的です。1日の抜け毛のほとんどが、シャンプーの際に抜け落ちると言われており、抜け毛の多さを心配する方は少なくありません。排水溝に溜まった抜け毛を見て、将来ハゲてしまわないかと不安になる方もいるでしょう。
シャンプー時の抜け毛が気になる方の中には、「毎日ではなく、2日に一回のペースでシャンプーすべきなのでは?」と考える方も少なくありません。
そこで今回は、シャンプーと抜け毛の関係性について詳しく解説します。理想のシャンプー頻度や自分にあったシャンプーの選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。正しい知識を身につけて、抜け毛や薄毛を防ぎましょう!
シャンプーすると抜け毛は増えるの?
シャンプー時の抜け毛の量が多いと、使用しているシャンプーが原因で、抜け毛をひき起こしているのではないかと心配になる方もいるでしょう。ここでは、シャンプーと抜け毛の関係性について詳しく解説します。
使うシャンプー剤や洗い方によっては頭皮へ強い刺激となり、抜け毛が増える可能性も示唆されますが、シャンプーのみで抜け毛が増える可能性はかなり低いですのでご安心ください。
こちらでは、抜け毛を増やす危険性がある洗い方について紹介しております。
1.シャンプーの洗浄成分による影響
シャンプーには洗浄成分が含まれており、使用しているシャンプーによって、頭皮や髪の毛へ与える影響は大きく異なります。洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮や髪の毛に必要な皮脂まで取り除いてしまうおそれがあるため注意が必要です。
汗をかきやすい体質の方や皮脂の分泌が盛んな方の場合、スッキリ感を求め、洗浄力の強いシャンプーを選びがちです。しかし、洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮を刺激して抜け毛を促す可能性があるということを知っておきましょう。
2.シャンプーのやり方による影響
頭皮の汚れや皮脂が気になるからといって、ゴシゴシと強い力でシャンプーしていませんか?特に、爪を立ててシャンプーするのは厳禁です。頭皮を傷つけるおそれがあり、炎症や痒みを引き起こし、抜け毛や薄毛の要因になりかねません。
また、髪の毛が絡まった状態でシャンプーすることで、髪の根元に余計な力が加わり、健康な髪の毛が抜けてしまう可能性があります。シャンプー前は、髪の絡まりをとるためにブラッシングし、頭皮や髪の毛はやさしく洗うことを心がけましょう。
3.シャンプー時の抜け毛の量
シャンプー時の抜け毛は、誰にでも起こり得る自然な現象なため、あまり神経質になる必要はありません。
ただし、抜け毛の量が急激に増えた場合や、明らかに抜け毛の量が多く心配な場合などは、発毛サロンやクリニックに相談することをおすすめします。抜け毛対策は、まず抜け毛の根本的な原因を知ることが重要です。特に、進行性の脱毛症AGA(男性型脱毛症)の場合は、早めの対処が大切です。
サロンやクリニックでは、一人ひとりの頭皮や髪の毛の状態をチェックし、頭皮状態にあった治療法やアドバイスをもらえます。正しい対処法で、健康な髪の毛を保つことが可能です。
毎日または、2日1回のシャンプーどっちがおすすめ?
人によって頭皮や髪の毛の状態は異なるため、理想的なシャンプー頻度も人それぞれ違います。
ここでは、どのような人が「毎日」もしくは「2日に一回」のシャンプー頻度がおすすめなのかについて、それぞれ確認していきましょう。
「毎日」がおすすめな人
頭皮は、身体の中でもっとも皮脂分泌量が多く、顔のTゾーンよりも皮脂分泌が活発になりやすいと言われています。特に、体質的に皮脂分泌が活発な方は、余分な皮脂や汚れが毛穴に溜まりやすく、痒みやフケなどを引き起こす要因になりかねません。
一方、皮脂が気にならないという方でも、汗をかきやすい季節やスポーツのあとなどは、頭皮や髪の毛のベタつきが気になりやすいものです。また、空気が乾燥しやすい寒い季節は、静電気の発生により、ほこりや汚れが髪の毛に付着しやすくなります。
毎日シャンプーして、頭皮や髪の毛を清潔に保つことをおすすめします。
「2日に一回」がおすすめな人
体質的に肌が乾燥しやすい方やパーマ・カラーリングなどにより髪の毛が傷んでいる方などは、毎日シャンプーすることで、頭皮や髪の毛のうるおいが不足してしまう可能性があります。
頭皮や髪の毛が乾燥しやすい方は、シャンプー頻度を2日一回程度に減らすと、頭皮や髪の毛の保湿に必要なうるおいを長く保ちやすくなる可能性があります。
ご自身の頭皮や髪の毛の状態にあわせて、「毎日」もしくは「2日に一回」定期的にシャンプーし、清潔な頭皮を保ちましょう。
シャンプーをする時の注意点
健康な髪の毛を育てるためには、頭皮を清潔な状態に保つことが欠かせません。基本的にシャンプーは、毎日することをおすすめします。とはいえ、毎日シャンプーする際には、いくつか注意したいことがあります。
ここでは、毎日のシャンプー時に、ぜひ知っておきたい注意点を一緒に確認していきましょう。
シャンプーは1日1回までが理想
頭皮を清潔な状態に保つことが大切とは言っても、1日に何回もシャンプーする必要はありません。過度な頻度のシャンプーは、必要なうるおいまで奪ってしまうおそれがあります。
また、シャンプーする際の髪の毛が濡れた状態は、髪の毛のうるおいが蒸発しやすく、とてもデリケートです。シャンプーの回数は、1日1回がおすすめです。
正しいやり方でシャンプーをする
シャンプーを使って洗髪するだけでは、頭皮や髪の毛に付着した皮脂や汚れは落としきれません。正しい方法でシャンプーすることが大切です。特に、シャンプーを塗布する前のブラッシングと予洗いは重要です。
正しいシャンプーの方法は、以下の通りです。
髪を濡らす前に、ブラッシングで髪の毛の絡まりをとりましょう。同時に髪の毛に付着したほこりや汚れも落とせます。
40℃以下のぬるま湯のシャワーで、しっかり予洗いします。
シャンプーは手に取り、しっかり泡立てるのがポイントです。指の腹を使って頭皮を揉みこむようにシャンプーをなじませましょう。
シャンプーの成分が残らないように、丁寧に洗い流し、コンディショナーを塗布し、再度丁寧に洗い流します。
シャンプー後は、タオルで髪の毛をやさしく挟むようにして水分を拭き取ります。ドライヤーで、根元から中心に素早く乾かしましょう。
①のブラッシングと②の予洗いで、髪の毛や頭皮に付着した汚れを落とすことが可能です。シャンプーの泡立ちもよくなり、髪の絡まりも防げます。
頭皮に優しいシャンプーの選び方
正しい方法でシャンプーすることも大切ですが、健康な髪の毛を育てるためには、シャンプーの選び方にも注意が必要です。頭皮や髪の毛の状態にあっていないシャンプーを使っていると、頭皮環境を悪化させてしてしまう可能性もあります。
ここでは、健康な髪の毛を育てるためにぜひ知っておきたいシャンプーの選び方をご紹介します。
選び方のポイント1:洗浄力
先述の通り、洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮や髪の毛に必要な皮脂まで取り除いてしまう恐れがあります。健康な髪の毛を育てるためには、必要な皮脂まで取り除かない、適度な洗浄力のシャンプーを選ぶことがポイントです。
シャンプーの洗浄成分は、大きく「せっけん系」「高級アルコール系」「アミノ酸系」「ベタイン系」の4種類に分けられます。それぞれの洗浄成分の特徴は、下記の通りです。
なお、シャンプーに含まれる洗浄成分の配合量によって、洗浄力は変化します。下記はあくまでも目安として参考にしてください。
洗浄成分別の特徴について
洗浄成分 | 特徴 | 代表的な成分表示 |
---|---|---|
石けん系 | ・高い洗浄力 ・天然由来成分 ・アルカリ性 ・さっぱりした洗い上がり ・髪の毛がごわつきやすい | ・石ケン素地 ・ラウリン酸K ・ヤシ脂肪酸K ・ラウリン酸Naなど |
高級アルコール系 | ・高い洗浄力 ・殺菌力 ・脱脂力も高い ・石油系界面活性剤 ・比較的、手頃な価格で入手できる ・泡立ちが良い ・肌の弱い方は刺激を感じる場合も | ・ラウレス硫酸Na ・ラウリル硫酸TEA ・ラウリル硫酸Na ・ラウリル硫酸アンモニウムなど |
アミノ酸系 | ・過剰な皮脂は落としつつ必要な皮脂は残すやさしい洗い上がり ・弱酸性で刺激が少ない ・泡立ちが良い | ・ラウロイルグルタミン酸Na ・ココイルグルタミン酸TEA ・ココイルグリシンK ・ラウロイルメチルアラニンNaなど |
ベタイン系 | ・もっともやさしい洗い上がり ・低刺激 ・天然由来成分 ・微細泡で泡立ちが良い ・敏感肌の人でも安心 | ・ココアンホ酢酸Na ・コカミドプロビルベタイン ・ラウロイルプロピルスベタインなど |
抜け毛が気になる方は、やさしい洗い上がりが特徴の「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーを試してみるのがおすすめです。マイルドな洗浄力で、必要な皮脂は残しつつも、過剰な汚れや皮脂をしっかりと落とすことができます。ただし、体質的に皮脂分泌が活発な方や普段から整髪料を多く使う方は、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
また、敏感肌の方は、天然由来成分配合の「植物由来」や「オーガニック」などシャンプーを試してみるのもおすすめです。シャンプーボトルの裏面にある成分表示をチェックして、ご自身に合ったシャンプーを見つけましょう。
選び方のポイント2:配合成分
抜け毛が気になる場合は、シャンプーに配合されている成分にも注目しましょう。ここでは、「抜け毛や薄毛対策に効果が期待できる成分」と「避けたい成分」をそれぞれ確認しましょう。
「抜け毛や薄毛対策に効果が期待できる成分」
ドラッグストアやネットショップには、頭皮環境を改善する成分が配合されたさまざまなシャンプーが販売されています。抜け毛や薄毛対策として効果が期待できる成分は、下記の通りです。
作用 | 効果的な成分 |
---|---|
頭皮の保湿作用 | ハトムギ種子エキス グリセリン ヒアルロン酸 センブリエキス 豆乳発酵液 ココナッツオイル ユーカリエキスなど |
フケやかゆみを防ぐ抗炎症作用 | トコフェロール酢酸エステル センブリエキス オタネニンジン根エキス ショウガエキス センキュウエキスなど |
頭皮の殺菌、炎症を抑える作用 | グリチルリチン酸ジカリウム サリチル酸 ピロクトンオラミン ミコナゾール硝酸塩など |
上記を参考に、ご自身の悩みや肌質にあわせ、効果が期待できる成分が配合されたシャンプーを選びましょう。
また、最近は、「医薬部外品」の表示のある薬用シャンプーも数多く販売されています。薬用シャンプーには、頭皮環境改善に効果が期待できる成分が含まれているため、抜け毛や薄毛が気になる方にもおすすめです。
抜け毛が気になるなら「避けたい成分」
抜け毛が気になる方は、頭皮に刺激を与えるような添加物が含まれていないシャンプーを選ぶことが大切です。
シャンプーに配合されている添加物は、主に「天然成分」と「人工成分」の2つに分けられます。頭皮へ刺激を与える可能性があるのは「人工成分」です。特に、敏感肌の方や抜け毛が気になる方は人工成分が含まれるシャンプーは避けるようにしましょう。
頭皮へ刺激を与える可能性がある代表的な人工成分は、下記の通りです。
- シリコン合成香料
- エタノール合成着色料
- 防腐剤
避けたい人工成分の1つである「シリコン」には、髪の毛のうるおいを保つ役割があります。
シリコンが配合されていない「ノンシリコンタイプ」のシャンプーは低刺激である一方、髪の毛のパサつきやキシみが気になると感じる方も少なくありません。実際に使用してみて、自分の髪質にあうか確認することをおすすめします。
まとめ
健康な髪の毛を育てるためには、頭皮や髪の毛を清潔に保つことがポイントです。基本的に、シャンプーは毎日することをおすすめしますが、人によっては2日一回のシャンプーがベストな方もいます。
健康な髪の毛を育てるためには、ご自身の頭皮と髪の毛の状態を把握することが大切です。シャンプーの頻度だけでなく、正しい方法でシャンプーし、自分にあったシャンプーを選ぶことも重要です。
抜け毛や薄毛が気になる場合は、1人で悩むのではなく、専門的な知識が豊富なサロンやクリニックに相談してみるのもおすすめです。