円形脱毛症は内臓の病気が原因?関連しやすい疾患・検査の目安・治療法をわかりやすく解説

円形脱毛症は内臓の病気が原因?関連しやすい疾患・検査の目安・治療法をわかりやすく解説

円形脱毛症が起きると「内臓が悪いサインでは?」と不安になりますよね。結論から言うと、円形脱毛症は毛包(毛根まわり)を主な標的とする自己免疫性の脱毛症で、基本的には皮膚科領域の病気です。病変は毛包と爪甲に限られ、生命予後は良好とされています。
一方で、自己免疫という性質上、甲状腺疾患など“関連しやすい疾患(合併)”があるのも事実です。そこで本記事では、内臓病を疑うべきサイン、検査の目安、治療の全体像を整理します。

注意事項

本記事は一般的な情報です。診断・治療の最終判断は必ず医療機関で行ってください。

円形脱毛症は「内臓の病気で起きる」とは限らない

円形脱毛症は「内臓の病気で起きる」とは限らない

まず、結論としてお伝えするのが、円形脱毛症が起きたからといって、内臓に何か問題があるとは限りません。とはいえ、体の不調が原因で偶発的に円形脱毛症が起きることはあります。

まずは円形脱毛症が生じる原因から確認しましょう。

円形脱毛症とは?

円形脱毛症は、典型的に円形〜類円形の脱毛斑(脱毛巣)が突然出てくる非瘢痕性(毛穴が残る)の脱毛症です。現在の理解では、成長期にある毛包が主な標的となる自己免疫性疾患と考えられています。

※現時点でも明確な原因は特定されていません。

そのため、内臓が“直接”悪くて脱毛斑ができる、という単純な因果よりも、免疫・体質・ストレスなどの要因が絡み合うイメージが近いです。

円形脱毛症の特徴について

  • 「突然、丸く抜ける」「境界が比較的はっきり」
  • 「頭髪だけでなく、眉毛・まつ毛・体毛にも及ぶことがある」
  • 「増悪と軽快を繰り返すことがある」

「内臓が悪い=必ず円形脱毛症」ではない

ネットでは「内臓の不調が原因」と断定する情報も見かけますが、円形脱毛症は基本的に皮膚(毛包)の免疫反応が中心です。

もちろん、体調不良や強いストレスが引き金になったり、関連疾患が背景にあることはありますが、“内臓が悪いから円形脱毛症になる”と自己判断してしまうと、皮膚科での適切な評価が遅れることがあります。

注意点:合併しやすい病気があるため、症状次第で検査が必要

円形脱毛症の人は、甲状腺疾患などの自己免疫疾患やアトピー関連疾患が同時にみられることがあるとされています。

ただし「全員が検査すべきか」は議論があり、たとえば小児ではダウン症・アトピー既往・甲状腺疾患の家族歴・甲状腺腫大などがある場合に検査を検討、という提案もあります。

つまり、“不安だから全部検査”ではなく、所見や症状に応じて必要な検査を選ぶのが現実的です。

円形脱毛症の検査について

まずは、皮膚科などを受診し、円形脱毛症であるか確認しましょう。その上で、甲状腺の異常であるかどうかは医師と相談の上、検査することをおすすめします。

円形脱毛症と関連しやすい「内科系・全身疾患」一覧

円形脱毛症と関連しやすい「内科系・全身疾患」一覧

では、円形脱毛症と関連しやすい病気にはどのような種類があるのでしょうか。一般的には以下の4つがよく考えられます。

  1. 甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病など)
  2. 自己免疫疾患(1型糖尿病、関節リウマチ、膠原病など)
  3. アトピー素因(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など)
  4. 尋常性白斑など免疫が関与する皮膚疾患
診断について

本記事はあくまでよくある事例をお伝えしております。正しい判断は専門の医療機関を受診の上でご判断ください。

1.甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病など)

円形脱毛症と関連が語られる代表が甲状腺疾患です。甲状腺は代謝や体温調節などに関わり、異常があると全身症状が出ます。円形脱毛症の診断過程で、必要に応じて甲状腺疾患をみる血液検査が行われることがあります。

甲状腺の異常をを疑うヒント

  • 機能低下(例):疲れやすい、寒がり、体重増加、むくみ、便秘
  • 機能亢進(例):動悸、暑がり、発汗、体重減少、手の震え

2.自己免疫疾患(1型糖尿病、関節リウマチ、膠原病など)

自己免疫疾患は「免疫が自分の組織を攻撃してしまう」病気の総称で、円形脱毛症も同じ枠組みで説明されます。関連疾患として、1型糖尿病や関節リウマチ等が挙げられることがあります。

症状(のどの渇き、多尿、関節痛、発熱、倦怠感など)があれば、皮膚科から内科へ連携するケースもあります。

3.アトピー素因(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など)

アトピー性皮膚炎や喘息など、アレルギー体質(アトピー素因)と円形脱毛症が同時にみられることがある、と整理されています。

皮膚のかゆみ・炎症が強い場合は、頭皮を掻くことで刺激が増えて悪循環になりやすいため、皮膚症状のコントロールも大切です。

4.尋常性白斑など免疫が関与する皮膚疾患

白斑(皮膚の色が抜ける)も免疫が関与する疾患の一つで、円形脱毛症と関連が論じられることがあります。皮膚の色変化が気になる場合は、脱毛とあわせて皮膚科で相談しましょう。

円形脱毛症の症状が疑われた時の受診の流れと、よくある検査

円形脱毛症の症状が疑われた時の受診の流れと、よくある検査

円形脱毛症の症状が疑われたから、以下のような本記事で紹介するような形で受診をすることをおすすめしております。

1.まずは皮膚科が基本(視診+問診+必要なら追加検査)

円形脱毛症は皮膚科での評価が基本です。皮膚科では、脱毛部位と爪を観察し、必要に応じてダーモスコピー(拡大観察)や追加検査を行います。

2.必要に応じて血液検査(甲状腺、鉄、ビタミンなど)

状況により、甲状腺疾患のチェックや鉄・ビタミンなどの状態をみる血液検査が検討されます。

ただし「全員に一律で必要」とは限らず、小児ではリスク因子がある場合に検査を絞る提案もあります。

3.鑑別(他の脱毛との見分け)も重要

「円形脱毛症と思っていたら別の脱毛だった」ということもあり得ます。自己判断より、医療者の評価が安心です(例:抜毛症、感染症、炎症性疾患など)。

円形脱毛症の治療法について

円形脱毛症の治療法について

では具体的に円形脱毛症を治療する場合、どのような治療法があるのか解説します。

治療は“脱毛の範囲・期間・年齢”で選ぶ

円形脱毛症は経過が人によって異なり、自然軽快が期待できる軽症もあれば、増悪を繰り返す重症もあります。
そのため「すぐ全員が強い治療」ではなく、重症度に合わせて選択されます。

外用療法・局所治療(代表例:外用薬、局所注射など)

局所の炎症・免疫反応を抑える目的で外用や局所治療が検討されます。治療法の選択は、脱毛範囲や年齢、既往歴などで変わります。

重症例ではJAK阻害薬など新しい選択肢が登場

日本の診療ガイドラインでは、重症例に対してJAK阻害薬が保険適用になった経緯も整理されています(2022年以降)。
一方で安全に使うための知識が必要で、適応・副作用・検査などは医師の管理下で行われます。

再発・悪化を防ぐためにできること(生活・ストレス・頭皮ケア)

円形脱毛症の原因は、自己免疫疾患と言われているため具体的に、人によって効果的な方法が異なります。とはいえ、自律神経のバランスを整える行動や、毛髪の成長に欠かせない栄養素を摂取することは非常に良い効果が期待されます。

ストレス・睡眠・生活リズムを整える

円形脱毛症は免疫が関与するため、ストレスや睡眠不足が重なると気持ちの負担が増えやすいです。焦って完璧にしようとせず、睡眠・休息の確保を優先しましょう。

栄養は“バランス重視”で、極端な制限は避ける

円形脱毛症は「この栄養で治る」と言い切れるものではありません。ただし、栄養が不足すると体調や皮膚・毛の状態に影響が出やすいので、不足しやすい栄養を“落とさない”ことが現実的です。

意識したい栄養素

  • 毎食:タンパク質(肉・魚・卵・大豆のどれか)
  • 週数回:鉄(赤身肉・貝・レバー等)※体質により要調整
  • 間食:ナッツ・ヨーグルトなど“足し算”にする

NG例(やりがち)

  • 糖質ゼロ・油ゼロなどの極端な制限を長期化
  • サプリを大量に飲んで食事が雑になる
  • カフェイン過多で睡眠が崩れる(結果的に悪循環)

※貧血症状(動悸・めまい・息切れ)や強い倦怠感がある人は、栄養の自己判断より検査相談を行うようにしましょう。

頭皮への刺激を減らす(摩擦・掻破・強い薬剤)

円形脱毛症の頭皮は、毛髪が少なくなっている分、外部からの刺激に対して敏感になりやすいです。そのため、以下のような頭皮への刺激を少なくするようにしましょう。

  • かゆみがあっても掻き毟らない
  • 強いマッサージや頻回のカラー・パーマは控える
  • “根拠が薄い民間療法”に飛びつかない

Q&A(よくある疑問)

血液検査はしたほうがいい?

状況によります。皮膚科では必要に応じて甲状腺や鉄・ビタミンの検査を行うことがあります。一方で、リスク因子がある人に検査を絞る提案もあります。

何科に行けばいい?

まずは皮膚科が基本です。評価の結果、内科(内分泌・甲状腺など)連携が必要なら紹介になります。

まとめ

円形脱毛症は再発しやすいため、「完璧に防ぐ」より悪化しない習慣づくりが重要です。睡眠リズムを整え、体調不良は早めに回復を優先。ストレスは毎日短時間でも発散し、頭皮は刺激を避けた洗髪・乾燥を徹底しましょう。週1回の写真記録で早期発見し、拡大や全身症状があれば受診を検討してください。