「最近、髪の毛のボリュームが減ったような気がする」
などと思い、頭頂部をのぞくと、地肌が透けていた…なんてことはありませんか?
実は、女性も男性と同じように、遺伝やホルモンバランスの乱れ、生活習慣など様々な原因で薄毛に悩まされることがあります。この記事では、頭頂部の薄毛が気になる女性に向けて、つむじ周辺がハゲる原因と対策について詳しく解説します。
もしかして薄毛?頭頂部の薄毛度合いセルフチェック

髪の毛は毎日生まれ変わっており、健康な女性でも1日100本程度は抜け落ちています。抜け毛の量が気になるという方でも、実は正常の範囲であるケースがほとんどです。
髪の毛の本数は変わっていなくても、髪の毛1本1本が細くなることで全体のボリュームが減ったように感じる場合もあります。
頭頂部のはげが気になる女性は、まず以下の項目をチェックしてみましょう。

頭頂部ハゲが気になる方向けのセルフチェック
- 頭頂部が薄くなり、頭皮が透けて見える
- つむじがはっきりしてきた
- つむじの渦が乱れている
- 分け目が広がってきた
- 頭皮が赤っぽい
- 髪の毛全体のボリュームが減った
- 頭頂部の髪の毛が細くコシがない
- 髪の毛が切れやすい
- 同年代の女性と比べて、明らかに髪の毛の量が少ない
該当する項目が多い場合は、薄毛が進行している可能性があります。将来の薄毛につながらないよう、適切な対策が必要です。
女性の髪の毛が薄くなる原因とは?

女性が薄毛を引き起こす原因は、さまざまなことが考えられます。
原因は1つとは限らず、複数の原因により薄毛がひき起こされているケースもあります。ここでは、女性が薄毛を引き起こす原因を一緒に確認しましょう。

1.加齢による女性ホルモンの減少
女性ホルモンは、髪の毛の成長に深く関わっています。
女性ホルモンがバランスよく分泌されることで、髪の毛にハリやコシを与え、健康な髪の毛を保つことが可能です。
女性ホルモンの分泌量のピークは、およそ20代半ば〜30代半ばと言われています。年齢を重ねるごとに、少しずつ女性ホルモンの分泌量は減少し、閉経を迎える40代半ばから50代半ばころになると、女性ホルモンの分泌量は急激に減少します。その結果、髪の毛にハリやコシがなくなり、髪の毛全体のボリュームが減ったと感じやすいです。
さらに、加齢により髪の毛の元となる毛母細胞も老化します。毛根が弱くなることで、抜け毛も増えやすくなります。誰にでも必ず訪れる加齢は、女性の薄毛を引き起こす避けられない原因の1つと言えるでしょう。
2.分娩後(産後)脱毛症
出産後に起こる脱毛のことを「分娩後(産後)脱毛症」と呼び、出産を経験した女性のおよそ半数が経験すると言われています。
妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが大量に分泌されるため、髪の毛が成長期に長く留まり、比較的抜け毛が起こりにくい状態です。一方、出産後は女性ホルモンの分泌量が急激に減少するため、髪の毛が休止期に入り、髪の毛が抜けやすくなります。
分娩後(産後)脱毛症のピークは、産後2~3か月くらいで、半年~1年くらいかけて少しずつ抜け毛が改善していくのが一般的です。一時的な抜け毛である場合がほとんどのため、過度な心配はいりません。

3.不規則な生活
不規則な生活は、女性ホルモンのバランスを崩し、頭皮環境を悪化させ、結果的に薄毛を引き起こす可能性があります。仕事や育児に忙しいと、どうしても睡眠不足になりがちです。睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を抑制し、髪の毛の成長を妨げます。
また、健康な髪の毛を育てるためには十分な栄養が欠かせません。乱れた食生活は栄養不足に陥りやすく、頭皮まで必要な栄養素が届かなくなり、髪の毛が細く弱くなる原因です。特に過度な食事制限によるダイエットは、抜け毛や薄毛を促進するため注意が必要です。
4.ストレス
ストレスを感じると、人間の体は防衛反応として様々なホルモンを分泌します。中でも、「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが過剰に分泌されると、頭皮の血行を悪化させるおそれがあります。血流悪化により、頭皮まで必要な栄養素が届かず、髪の毛の成長を阻害しかねません。
また、ストレスを感じると体に活性酸素が大量に発生し、あらゆる細胞を傷つけます。活性酸素から体を守ろうとする働きにより、体内の亜鉛が大量に消費されます。
亜鉛には、髪の毛の主成分であるケラチンの生成を助ける働きがあるため、ストレスにより亜鉛が不足すると、髪の毛が細く弱くなりやすいです。
5.不適切なヘアケア
髪の毛を健康に美しく保つために欠かせないヘアケアですが、間違った方法で行うと、逆に薄毛を促進してしまう可能性があります。
毎日シャンプーをする、洗浄力の強いシャンプーを使うなどは、必要な皮脂まで落としすぎてしまうため、頭皮の乾燥を招きかねません。乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすい状態です。フケやかゆみなどをひき起こし、頭皮環境を悪化させる要因です。

また、ヘアアイロンを使った高温でのスタイリングは、髪の毛を傷つけ、キューティクルを剥がしてしまうおそれがあります。薄毛が気になる場合は、できるだけヘアアイロンの使用は控えましょう。
ただし、高温でのスタイリングが良くないからといってドライヤーを使わずに自然乾燥させるのはNGです。洗髪後の濡れた頭皮は、雑菌が繁殖しやすく、髪の毛もキューティクルが開いたデリケートな状態です。長時間濡れた状態を続けると、髪の毛の乾燥や頭皮の炎症の原因になる場合があります。

6.FAGA
FAGAは。女性男性型脱毛症と呼ばれる女性特有の薄毛の1つです。男性のAGA(男性型脱毛症)と同様に、遺伝的な要因と男性ホルモンが大きく関わっています。
男性ホルモンは女性の体にも存在し、加齢に伴い女性ホルモンが減少することで、体内の男性ホルモンの割合が増え、薄毛を引き起こしやすくなります。
ストレスや睡眠不足、不規則な食生活、喫煙など、生活習慣の乱れもFAGAを悪化させる要因です。また、甲状腺機能低下症や多嚢胞性卵巣症候群など、ホルモンバランスが乱れる病気もFAGAの原因となることがあります。
FAGAは、男性のAGAと比べて進行が緩やかで、頭頂部が全体的に薄くなるのが特徴です。しかし、放置すると髪が細くなり、密度が低下していくため、早めの対策が重要です。
女性の頭頂部の薄毛対策を紹介
女性の頭頂部の薄毛を引き起こす原因は、様々なことが考えられます。頭頂部の薄毛が気になりだしたら、できるだけ早く薄毛対策に取り組みましょう。
以下では、女性の頭頂部の薄毛対策について紹介します。薄毛対策は、すぐに効果を感じるのは難しいものです。焦らず、継続することが大切です。
1.生活習慣の見直し
健康な髪の毛を育てるためには十分な睡眠が欠かせません。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、髪の毛の成長を促します。理想的な睡眠時間は、一般的に6~8時間程度と言われています。まとまった睡眠時間を確保するのが難しい場合は、遮光カーテンや寝具にこだわるなど睡眠環境を整え、睡眠の質を高めましょう。
また、日中に運動して適度に体を動かすことで、夜ぐっすり眠ることができます。特に、筋肉量の少ない女性の場合、女性ホルモンの分泌やタンパク質の消化吸収率が悪い傾向があります。適度に筋肉をつけることで、頭皮環境の改善につながります。
日中は適度に体を動かし、夜はしっかり睡眠をとるメリハリのある規則正しい生活が、健康な髪の毛を育てます。
2.食事内容を見直す
外食が多かったり、食事量が少なかったりする女性の場合、どうしても栄養が偏りがちです。栄養不足の状態では、髪の毛に十分な栄養素を届けることができません。
髪の毛に良いとされる栄養素は、下記の通りです。
栄養素 | 働き | 多く含まれる代表的な食材 |
---|---|---|
たんぱく質 | 髪の主成分であるケラチンを生成 | 肉、魚、大豆製品 |
鉄分 | 血液中の酸素や栄養素を運ぶ役割 | レバー、ほうれん草、海藻など |
ビタミンB群 | 髪の毛のもととなるケラチンの生成を助ける働き | レバー、うなぎ、納豆など |
亜鉛 | 髪の生成に関わる酵素の働きをサポート | 牡蠣、レバー、ナッツ類など |
健康な髪の毛を育てるためには、上記の栄養素だけでなく、さまざまな食材からバランスよく栄養素を摂取することが大切です。

3.ストレスをこまめに発散する
ストレスは、ホルモンバランスを乱すだけでなく、頭皮の血流を悪化させます。その結果、頭皮環境を悪化させ薄毛につながります。ストレスは溜めこまず、こまめに発散しましょう。
普段あまり運動しないという女性なら、ヨガがおすすめです。深い呼吸法やストレッチで心身をリラックスでき、ストレス発散に効果的です。自分に合ったストレス発散法を見つけ、こまめに発散しましょう。
4.ヘアスタイルを見直す
髪の毛への負担が大きいヘアスタイルや同じヘアスタイルの繰り返しが、頭皮や髪の毛にダメージを与え、薄毛を促進してしまうことがあります。いつも同じ場所で髪を分けていると、分け目部分の毛根に負担がかかり、分け目が目立ちやすくなりがちです。定期的に分け目を変えるなど対策しましょう。
また、ポニーテールなど髪の毛を根元からきつく結ぶヘアスタイルは避けるのが無難です。強く引っ張ることで毛根がダメージを受け、抜け毛を引き起こしかねません。
頻繁なカラーリングやパーマも髪の毛や頭皮へのダメージが大きく、頭皮にも負担がかかります。薄毛を引き起こすおそれがあるため、できるだけ控えることをおすすめします。

5.サロンやクリニックに相談する
セルフケアだけでは効果を実感できない、薄毛の進行が気になるという場合は、サロンやクリニックに相談するのがおすすめです。
抜け毛や薄毛は、遺伝や生活習慣、ストレスなど、様々な原因が考えられます。薄毛対策は、まず薄毛や抜け毛の根本的な原因を知ることが重要です。自分では、頭頂部の薄毛の原因が特定できないという場合は、プロに相談するのが改善への近道です。
サロンやクリニックでは、1人ひとりの頭皮や髪の毛の状態をチェックし、頭皮状態にあった治療法やアドバイスがもらえます。無料相談を行っているサロンやクリニックも多いため、気軽に相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
女性の頭頂部の薄毛を引き起こす原因は、加齢による女性ホルモンの減少や生活習慣、ストレスなど様々なことが考えられます。頭頂部の薄毛が気になりだしたら、できるだけ早く薄毛対策に取り組みましょう。
セルフケアだけでは効果を実感できない、どうしても薄毛の進行が気になるという場合は、1人で悩むのではなく、サロンやクリニックのプロに相談するのがおすすめです。